ファーストステージ
レギュレータのファーストステージの役割はきわめてシンプルです。タンクから供給される高圧エアを減圧し、安定した中圧にします。バルブを制御してエアをセカンドステージに送る方法の違いによって、ファーストステージはピストン方式とダイアフラム方式に大別されます。それぞれ独自のデザインで独自の長所があるため、異なるタイプのダイバーに好まれています。ファーストステージは、さらに、タンク内圧の変化に応じたファーストステージの機能とパフォーマンスによって、クラシックダウンストリーム式とバランス式に分類することができます。
ピストンテクノロジー
ピストン式ファーストステージには、可動パーツの数を抑えた効果的でシンプルなメカニズムによって、信頼性が高くメンテナンスの必要が少ないという長所があります。さらに重要なのは、他のどのタイプのファーストステージよりもエアの流量が多いということです。
エアバランス式フロースルーピストン
エアバランスピストン式のファーストステージは、あらゆるタイプのファーストステージの中でもエア流量が優れています。また、タンク内圧の変動がパフォーマンスに影響を与えません。バランスピストンは、より軽量で繊細なコンポーネントを利用できるため、呼吸に対する反応が速く、必要なときにエアを簡単に供給することができます。また、エア流量が非常に多く、特にタンク内圧が低いときに効力を発揮します。疲労が蓄積したダイバーも、浮上中や減圧停止中に、楽に呼吸することができます。バランスピストン式ファーストステージは、体力を酷使するスポーツダイバーやプロフェッショナルに最適です。バランスピストンは、低水温でも高水温でも同等のパフォーマンスを発揮します。このテクノロジーはSCUBAPRO MK25ファーストステージで利用されています。
クラシックダウンストリームピストン
最低限のメンテナンスで機能する頑丈で壊れにくいレギュレータです。伝統的なダウンストリームピストン構造は、シンプルなメカニズムによってタンクからのエアをセカンドステージ用に減圧します。クラシックダウンストリームバルブは、暖かい地域のダイビングセンターやレンタル施設に最適です。このテクノロジーはMK2
Plusファーストステージで利用されています。
ダイアフラムテクノロジー
ダイアフラム式のファーストステージは外部環境から密封されているため、内部機構に水が浸入しません。レギュレータの内部は空気が非常に高速で流れる高圧環境になるので、温度がマイナス30°Cに達する場合もあります。そのため、壊れやすい金属製の可動部品を超低温水との接触から守る必要があります。
このようなことから、ダイアフラム式のファーストステージは、低水温地域や汚染水または泥水でのダイビングが必要なダイバーに好まれています。
SCUBAPROのダイアフラム式ファーストステージは、バランステクノロジーと特許取得済みの各種機能が搭載されているため、必要なときにセカンドステージへエアを超高速で供給できるなど、総合的なパフォーマンスが優れています。
バランスダイアフラムテクノロジーは、あらゆるタンク圧や深度において安定したパフォーマンスを実現し、セカンドステージのパフォーマンスを最大限に高め、快適な呼吸を可能にします。
SCUBAPROのMK17ダイアフラム式ファーストステージにはドライバランスチェンバーが備わっているため、ファーストステージに水が浸入しません。つまり、超低温環境でも優れた耐凍結性を発揮します。
ドライチャンバー付きバランスダイアフラムについてもっと詳しく
SCUBAPROのMK11ダイアフラム式ファーストステージは、MK17と同じ構造ですが、ドライチャンバーはありません。温暖な環境でダイアフラム式ファーストステージを活用したいファンダイバーに最適です。